本人のエピソードをヒントに選んだアイテムを豪華付録として展開。彼にとって初表紙という話題性も相まって、発売後すぐ完売した。 「付録商品を使った方からの詳細な感想が、『美ST』が考えたハッシュタグ付きでXに続々と投稿され、大きな話題になりました。そのハッシュタグを追えば反響が可視化され、付録のブランド様にも喜んでいただけました。雑誌は従来、効果測定が難しい媒体ですが、今回はデジタルとうまく連携することで、読者のリアルな声をフィードバックとして活かすことができました。この成功をひとつのモデルケースとして、今後は雑誌を出して終わりではなく、その後のアクションまで継続的に支援できる仕組みづくりを目指しています」(千田氏) さらに、読者会員組織「美ST部」のエンゲージメントの高さも『美ST』の大きな強みだ。発足から3年が経った今もなお、メルマガの開封率は50%を超え、イベントの募集では一晩で400人以上の応募が殺到することも珍しくない。参加率もほぼ100%と、非常に高い水準を誇る。 「今後は読者とのつながりをさらに深めていきたいとや年齢にとらわれないロゴデザインへと刷新。男性ユーザーも増加中だ。 写真や動画にコメントをつけて投稿する同様のサービスが複数社で展開されるなか、差別化につながったのは投稿者のコスメ愛に裏打ちされたクチコミのクオリティの高さにあるという。 「自分をアピールしたいのではなく、気に入ったコスメを多くの人に伝えたいという〝推し〟の気持ちが投稿のモチベーションになっていることが特徴です」 と話すのは、運営会社AppBrewで事業開発を担当する有江さとみ氏。ひとつの投稿を数時間かけてつ 美容に特化したクチコミプラットフォーム『LIPS』。ローンチ当初は女子高生や女子大生など若年層をターゲットにしていたが、8年経った今では、10代から40代以上まで幅広い層に支持されている。今年2月にはアプリのダウンロード数が累計1300万を突破し、美容好きが集う一大コミュニティへと成長した。最近は男性の美容意識も高まっているが、LIPSはそうした時代の潮流を敏感に捉え、2022年にはジェンダー考えています。そして、誰もが『美ST』を読めば、美容と健康に詳しいリーダーになれる─そんな存在感のある雑誌にすること。改めて雑誌とデジタルの連動・循環を強化し、読者にとってもクライアントにとっても、より高い価値を提供できるコミュニティ・メディアへと進化させることが目標です」(千田氏)資生堂のUV商品のタイアップでは後藤真希氏と鈴木亜美氏を起用。読者と同年代ながらも、昔と変わらない美しさのふたりが共演した。日焼け対策に無頓着だった頃から現在のUVケア事情まで、読み応えのある記事に(2025年4月号)即完売した2025年7月号増刊Speci al Edition。洗顔フォーム、トリートメントUV、ヘアケアセット、バスタブレットと盛りだくさんの付録がついた* * *AppBrewManagerContents Director有江さとみ氏持つ。昨年からは加藤あい氏、後藤真希氏がレギュラーモデルに加わった。読者と近い世代で、等身大の共感を得られる人物を起用することで、タイアップ記事であっても単なる商品紹介に終わらせず、ライフスタイルや悩みといった切り口から、読者自身が共通点を見出せるような構成にしている。モデルの言葉で語られる実体験や価値観が、より深い納得感や親近感を生み、自然と心に入り込んでいく。こうした編集姿勢が、誌面全体の信頼感と説得力を支えている。 付録にも工夫を凝らしている。たとえば、timeleszの篠塚大輝氏が表紙を飾った増刊号では、「洗顔をしてこなかった」「ひとりだけ日焼けしてしまった」など、□LIPS□AppBrewCASE②4
元のページ ../index.html#4