CASE③雑誌作りで培った知見と経験を活用して推しの逸品を週にひと品紹介宝島社『MonoMax Web』編集長・奥家が注目する新作「コレ買いです」 「モノ・トレンド情報誌」ジャンルにおいて8年半にわたり、ABC公査で実売ナンバーワンを独走している月刊誌『MonoMax』。そのWeb版で2023年4月から始まったのが『編集長・奥家が注目する新作「コレ買いです」』だ。ファッション、時計、アウトドア、家電、クルマなど、多岐にわたるジャンルを網羅し、週に1回、奥家慎二編集長が太鼓判を押す商品を、の参加の意義など、私たちの生活を取り巻く社会的なテーマの記事も増えてきました。こうした内容をかみ砕いてしゅぷるんが発信することで、ひとりでも多くの読者が興味を持ち、そこから社会を動かすきっかけになればと考えています」(五十嵐氏)写真を交えて紹介している。 「読者の中心は30〜40代の男性ですが、急速なデジタル技術の発展、多忙な仕事と子育て、さらには物価高など、さまざまな要因が重なり、みんな疲れていると感じました。そんなときこそ、気に入ったモノを手に入れることで、気分が上がるのではないかと考えたのです。そこで、雑誌作りで培った知見を活かし、モチベーションを上げる買い物の手助けができればと思い、この連載を始めました」 と、『MonoMax』編集* * *ら『SPUR』編集部内に〝読書クラブ〟を作り、会議の中で毎週ふたりずつ、自分が読んだ作品について3分間でプレゼンしてもらうことにしました。 これは単に本の感想を発表する場ではありません。20〜30人の前で限られた時間の中、内容をまったく知らない相手に面白さや自分が感じたことをどう伝えるかが求められます。自分の言葉でわかりやすく伝えようとすることで、自然とコミュニケーション力や文章力が鍛えられます。また、聞く側も視野を広めたり、新しい考え方を知ることができます」(五十嵐氏) 『SPUR』創刊35周年を記念して、公式キャラクター「しゅぷるん」が登場した。ピンクのふわふわとした、うさぎのような愛らしいビジュアルだ。今後は、誌面やSNSなど、情報発信の場面でも活用するという。 「コロナ禍以降、SDGsや女性の権利、そして選挙へ長奥家慎二氏は語る。編集部在籍15年と歴代でも最長で、これまで全ジャンルの商品を担当。知識と経験が豊富なことから、必然的に表に立つことになった。 「〝価格以上に価値あるモノを紹介する〟というのが雑誌のコンセプトです。それに加えて、私たちにはモノを通じて、多業種の広報や企画、製造現場の方々と直接お話しする機会がのは「誌面ではスペースに限りがあり、深掘りが難しいこと。加えて、リアルタイム性を重視したかったから」と説明する。 商品の選定基準のひとつ目は、「自分が本当に欲しいと思うかどうか」。奥家氏は年間3000以上の新商品に触れているが、実際に使って気に入ったものだけを紹介する。事実、これまで取り上げた商品のうち、読者と同じ視点に立ち商品の魅力を深掘りする社会的問題の発信はキャラクターを活用多くあります。こうした環境に長く身を置くことで、世の中のトレンドや人々の嗜好の変化を先読みする力、さらには優れたモノを見極める審美眼が自然と養われてきたのかもしれません。情報が□れる今だからこそ、これまでの経験が活かせるのではないかと感じています。そもそも私はモノが本当に好きで、いいモノを見つけると誰かに教えたくなる気持ちが人一倍強いのです」(奥家氏) Webでの連載を選んだ『MonoMax』は2007年 12月創刊。女性読者も多く、約3割を占める9月末で連載129回に。気になる情報はつねにスマホの中にストックしているという6
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