約3分の1は自腹で購入したという。 ふたつ目の基準は、ユニクロや無印良品のように全国に店舗がある、あるいはECサイトで購入可能など、誰もが手に入れやすいこと。限定品などは除外する。また、基本的には手の届きやすい価格帯であることも意識している。 連載では、1回につき1商品だけを紹介。いくつもおすすめが並ぶと見た人のほうで吟味が必要になるため、「これを買えば間違いない」というひと品を示す構成とした。見せ方も、まずその商品を推す理由を箇条書きで簡潔に示し、その後で詳しく深掘りしていくスタイルだ。 写真の撮り方は読者がぱっと見で、自分事化しやすいような絵作りを工夫。たとえばカバンが1泊の出張にも役立つことを伝えたい場合は、着替えやモバイルバッテリー、シェーバー、ノートパソコンなど多くの人が持って行くアイテムを実際に詰めて写し込むといった具合だ。また、機械式時計のムーブメントのように静止画では伝えづらいものには動画を取り入れ、Webの特性を活かしている。 月内でPV数の多かった商品は、改めて公式YouTu beチャンネルに動画として掲載しており、人気の高いものは再生回数が10万回を超える。こうした注目度の高さから、昨年末にはこの連載をもとにした動画タイアップ企画もスタート。すでに人気の広告コンテンツとなっている。 「広告案件であっても、紹介のスタンスは変えません。仮にクライアントとこちらの訴求ポイントが違っても、データや読者の特性といった説得材料をもとに提案し、よりユーザーに刺さる見せ方を考えます。構成を考えるのはもちろん、絵コンテや台本もすべて自分で手掛けています」(奥家氏) 連載が認知されるようになると、奥家氏はモノ選びのプロとして、テレビや新聞、ラジオなどメディア出演が増えた。『MonoMax』の顔として登場することにより、雑誌そのものの認知拡大や信頼性の向上にもつながっているという。 連載のスタイルは開始以来変わっていないが、今後は商品そのものだけでなく、開発担当者など人への取材も増やしていきたいと考えている。 「なぜこの形や色が選ばれたのか、完成に至るまでにどんな試行錯誤があったのか。そうした背景を知ることでモノにより愛着がわいたり、購入の後押しにもなると思います。私たち編集者はそうした情報を直接取材できる立場にあるので、知られざる情報を読者に届けていきたいです。 また最近、〝モノ消費からコト消費へ〟という言葉もよく耳にしますが、何か体験をする際にもお気に入りのモノがあればより楽しめるはずで、両者は補完し合う関係です。モノは暮らしを豊かにしてくれる存在。だからこそ、これからもモノの魅力を深掘りし、発信し続けていきます」(奥家氏)連載から始まった広告企画やメディア出演宝島社第2メディアビジネス局月刊モノマックス編集部 編集長奥家慎二氏ナカの人ミントタブレット、クルマのスマートキー、折りたたみ財布など、奥家氏が持ち歩いている私物で、コンパクトなサイズながらも十分な収納があることを紹介公式YouTubeチャンネルで、連載のフォーマットを使用した動画タイアップ企画を実施7
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