いる。さらにトランプ政権下でDEI(多様性・公平性・包括性)推進が禁止され、雇用やキャリア形成にも逆風が。社会制度の公平性が揺らぎ、分断が深まっている。デジタル化とAI活用 CTV広告やポッドキャスト市場が急成長し、雑誌広告は縮小。NewYork Timesの購読モデル成功例に象徴されるように、メンバーシップ型収益が主流化。さらに生成AIの活用が進み、記事要約や翻訳、動画生成など効率化が加速。OpenAIとの連携事例も多数紹介された。 最後に津山氏は「政治の若年層シフト、経済の二極化、メディアのデジタル化。この3つがアメリカを動かしている」と結び、講演は未来を見据える力強いメッセージで締めくくられた。 国際ジャーナリスト津山恵子氏の講演は、アメリカの政治・経済・メディアの変化を鮮明に描き出した。Z世代とSNS選挙 民主社会主義を掲げるマムダニNY市長の誕生は、Z世代の台頭を象徴。Tik TokやInstagramを駆使した選挙戦術は、従来の権威型から共感型へと移行し、次期大統領選にも影響を与える可能性がある。二極化と社会制度の揺らぎ 企業業績は好調ながら、物価高と家賃高騰で生活は逼迫。マンハッタンの平均家賃は約68万円、若者はシェア生活を余儀なくされて対しては、コンテンツ利用の透明性と許可の明確化を要求している。誤情報への懸念(66%)や出版社への報酬支払いを支持する(57%)など米国民の世論も味方につけ、権利が守られる健全なマーケットを目指している。メディアにおけるAI企業対策も、バルク販売や提訴など業界内の対応は分かれており一枚岩ではないが(例□NYTの和解、News Corpの訴訟と契約)、NMAはAIプラットフォーマーとライセンス契約を結ぶなど業界全体としての共存の道も模索している。 日本においても、著作権侵害、購読/広告収入の減少などの重要な課題に対し、業界全体としてどうAIと向き合っていくべきか、アメリカの動向に注目したい。 雑誌・新聞・デジタルメディアを含む約2200社が加盟するNews/Media Alliance(NMA)は、ロビー活動や政策提言を通じて、加盟社の権利保護と発展を目的とする業界団体だ。 雑誌、新聞の売上を大きく減少させ、危機的状況をもたらしてきたデジタルメディアの進化とAIの登場に対抗するため、アメリカでは約70%の新聞社がデジタル版の有料会員化やファーストパーティデータの活用を進めている。収益確保のため、コンテンツのライセンス化との提携に舵を切る流れは、日本でもニュースになった。AI企業との共存を図る、アメリカの雑誌・新聞メディア浜崎裕一(双葉通信社)惠良能夫(光文社)News / Media Alliance宿泊ホテルの会議室でレクチャーを受けている様子 NMAは、AI技術の発展自体は支持しつつも、コンテンツのリアルタイム監視や政府への強力な働きかけを通じて権利保護にも積極的だ。特に市場を独占するGoogleにCEOのDanielle Coffey氏。知的財産権のエキスパートNewYorkTimesなど大手から地方紙までが加盟NYの若者たちと密に対話する津山さん渡邉 基(ザ・ゴール)大塚順子(マガジンハウス)松本 健(電通)国際ジャーナリスト 津山恵子氏、レクチャー米国政治・経済・文化の潮流とデジタル広告戦略 ―マムダニ現象、CTV、生成AIが示す未来政治経済メディア・広告4
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