アートディレクター/go°en主宰森本千絵氏クオリティの高い雑誌広告がメディア複合型でも人々を導いていく昨年のグランプリ「三越〝華ひらく〟小8バージョン包装紙」の余韻が会場に残っていると感じるほど、一年経っても、昨年選んだものを誇りに思えるようなそんな出会いがあった審査会でした。今年はどんな作品に出会うのだろうと思っていましたが、最終選考に残った作品は、どれもが各ブランドや商品を象徴する圧倒的な存在感があり、自信に満ちているものばかり。広告的要素とアート、その両方の完成度が高くて優れているもの。それこそがポップだと私は考えていますが、今年はまさにポップな作品が各部門のトップに選ばれたと思います。しかも、それぞれの部門の大切さを伝えてくれるような代表の顔が並んでいて、嬉しく感じました。SNSで見て思わずシェアしたくなるようなインパクトのある出会いが、雑誌という平面の紙媒体においても、ページを開いた瞬間に起こる。このことに改めて気づかされ、広告制作に携わる者の一人としても自信を持つことができました。第四部のメディア複合型広告は、年々、豊かな広がりを見せています。いちばん大切な社会的なコミュニケーションという関心事を深掘りさせてくれますし、前向きになれる道を示してくれてもいます。SNSや動画に転換する入口としてだけではなく、雑誌広告としてもきちんと形になっていて、人々を導いていくクオリティがあることに感動しました。31
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