雑誌広告2025_11
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世代・トレンド評論家/立教大学大学院(MBA)客員教授牛窪恵氏Z世代に響く社会課題への取り組みとメディア複合型のさらなる可能性今年は表現に自信を持って広告を出しているクライアントがとても多いと感じました。それはたぶんコロナ禍から日常に戻る中で、社内でも、対お客さまとの間でも、対話を重ね、深めてきた結果ではないかと。今回、とくに特徴的だなと感じたのが『Tarzan』掲載のバンダイナムコエンターテインメント。これまで雑誌は双方向媒体ではないと言われていたんですけれども、そんなことはなくて。二次元アイドルであることもそうですが、「私の腹筋への好意的な反響にも驚きました」というコピーからも、「反響があって」それに応える「対話」が「双方向」で行われていることが解ります。おそらく様々なマーケティングをしてきたであろうその結果をこんな形で出していくやり方もあるんだと印象に残りました。社会課題に対しては、特に第四部のヘラルボニーの「障害とアート」が目立っていました。一社提供ではなく、あれだけ多くのクライアントが協業で付くということに対して、特にZ世代は社会課題の解決という点で「誰とつながっているのか」「どんな意味を持つのか」を重視するので、それを表現していた『FRaU』という雑誌のブランド化にもつながっていくと思いますし、こうしたメディア複合型の発信を見て雑誌の良さを知るという新世代がどんどん生まれてくるんだろうなと。『幼稚園』のAEDたいけんセットの意義も大きいですね。32

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