てほしい』という話はよくしています。本当に若い社員のモチベーションに支えられているので、私としてはそれについていくだけという感じです(笑)」 複数の部署を横断するチームであるが故に、改めて、若手社員の才能に気づかされることも多いという。 「今の若い人たちはプライベートでもインスタグラムやXなどのSNSに親しんでいますし、メインの仕事である編集部でもインスタライブに出演していたりもしているので、ポッドキャストの番組に出演することにあまり抵抗がない。そこは大きな強みですよね。『長谷川あかりのシャニカマでごめんなさい』は、パーソナリティである料理家の長谷川あかりさんのお相手としてBAILA編集部の編集者が出演していますが、トークも上手ですし、エンターテインメントに非常に慣れています。そういうスタッフみんなの能力を活かしてあげたいですし、出版社にはさまざまな分野に専門性を持った人が多いですから、そういった人的資源を上手く活用できたら、shu eisha voxの世界をさらに広げられるのではないかと思っています」 初めて挑戦するポッドキャストの番組づくりだが、そこに戸惑いはなかったのだろうか。 「確かに、紙媒体は目で読むもの、音声メディアは耳で聴くものとツールとしての役割は全く違うものではありますが、ことコンテンツづくりという部分ではあまり大きな違いはないと思っています。雑誌の編集を10年くらい、書籍の編集を15年くらいやってきましたが、読者やリスナーが興味のあるもの、面白いと思うものを届けるという点は、音声も全く同じですので、そこは編集のスキルが役立つところと感じています」 番組の内容や企画については若いスタッフのやりたいことを最優先にしている。 「若いスタッフもみんな普段から各編集部で企画を考えて形にする作業はやっていることなので、そこは安心して任せています。最初はこういう人をパーソナリティにしたら人気になるんじゃないかと私なりに考えたこともありましたが、それよりも若いスタッフの方が遥かに強いアンテナを持っているはずなので、彼らの、『今この人と仕事をしたい』という希望を実現させて、もしダメだったらまた次を考えるくらいの気持ちで構えています」shueisha voxとしてレーベルの色を出すことは現段階では考えていない。 「shueisha voxだからこういうものをやらなければいけないとか、こういったものはやらないみたいな約束事は決めていません。リスナーにとってはshueisha voxだから聴くのではなく、その番組が面白い、興味があるから聴くので、番組それぞれのカラーがあればいいですし、番組が広く浸透していくことでshueisha voxのカラーが自然とできてくるものだと思います」 そのなかで唯一決めているのは、「集英社の刊行物を全面的にプロモーションするだけの番組はやらない」ということだ。 編集部主導で制作する従来のポッドキャストはWebやSNSと同じく、どうしても宣伝のツールとしての要素が多かった。その点が音声レーベルとして独立しているshueisha voxとの大きな違いになる。 「最初にどんな番組を作りたいのかをみんなで話し合ったときに、『今週の集英社の刊行物はこれです』みたいな雑誌や書籍の宣伝をするような番組はやめようという方針が決まりました。もちろん、番組の構成上、結果的にプロモーションになることはありますが、自社の雑誌や本の宣伝ばかりをしても、リスナーは面白くないと思うんです。番組である以上、企画の内容が面白いか面白くないかが判断基準としてあるべきだと思っています」 企画を立て、出演者をブにならないようにそれぞれの部署の上長とも密に連絡を取るようにしています。スタッフのみんなには『shu eisha voxを上手く利用して、こちらで得た人脈、経験を本業の方にも活かしてほしいし、本業で得たものをshueisha voxに還元し音声メディアならではの難しさとの向き合い方編集者のスキルを活かした音声コンテンツづくりshueishavoxで公開中の番組女優の齋藤明里、作家・書評家の渡辺祐真、芸人・構成作家のFANの各氏をパーソナリティに迎え、3人が持ち寄った「教養にしたいもの」を語りながら、万物を教養にしていく「教養増殖バラエティ」配信:毎週金曜、午後6時これって教養ですか?文芸評論家の三宅香帆氏による「ひとり語り番組」。SNSやメディアとの付き合い方から、リアリティーショーを素直に楽しんでいいのか?というモヤモヤまで、あらゆるジャンルの話題を扱う“声の週刊誌”配信:毎週木曜、午前5時視点倉庫4
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