ます。それを同時にインスタグラムでも投稿し、動画も使って海外の反応を見ています」(里見氏) SNS時代だからこそ、それらを利用して紙媒体を活性化させるという手法だ。 誌面設計において象徴的なのが、ほぼすべての商品情報にQRコードを付した点である。誌面サイズをあえてコンパクトにし、持ち歩きやすさを優先した結果、誌面に載せられる情報量は限られる。 「より詳しい情報はQRで見てもらう。その代わり、誌面ではまず〝存在を知ってもらう〟ことに集中しています。Beginといえば〝説得力と語り〟なのですが、今回は象徴的なイラストの効果も狙って、日本に興味を持ってもらう入口作りに注力しました」(里見氏) 縦書きが基本となる日本の雑誌編集に対し、英語では横組みのみという制約もある。文字の大小や写真配置といった限られた要素で視線誘導を行う必要があり、レイアウト面では試行錯誤が続いた。一方で、日本語のキャッチをあえて視覚的要素として残すことで、「日本のもの」だと伝わる効果を狙ったという。海外の書店で手に取ってもらう、または日本を旅する途中で出会い、土産物として持ち帰ってもらうことも意識されている。 こうした編集方針の背景には、紙媒体そのものへの再評価もある。里見氏は、前述の「アナログマーケット」イベントでの実感として、「人が集まる場には、紙の制作物がちゃんと活きる」と感じたという。「その場で手渡せる」「その場で回せる」という強さを改めて意識したのだ。 『COOL Begin』は、インバウンド向けメディアであり、デジタルも駆使した結果、雑誌という形式が持つ可能性を再確認する企画でもあったのだ。が前面に出た一冊だ。 『POPEYE』英語版企画は、マガジンハウスが社を挙げて自社コンテンツの海外展開を検討するなかで立ち上がった。社内では、日本語でありながら海外での売れ行きや反応が比較的良かった『POPEYE』が、最初の候補として浮上したという。『POPEYE』編集長の町田雄二氏は、立ち上げの経緯について次のように語っている。 「直接のきっかけは、会社として〝マガジンハウスのコンテンツを海外に持っていこう〟という方針が示さ マガジンハウスは、看板雑誌『POPEYE』の英語版として、東京を歩いて掘り下げるガイドブック『PO PEYE Special Edition Hello, Tokyo!』A Guide for Exploring Japan,s Capital City (English Version)を2025年9月18日に刊行した。 浅草や蔵前、銀座、渋谷といったエリアを軸にした特集「Tokyo Quest」を中心に、食をテーマにしたブック・イン・ブックや、過去の東京カルチャーをたどる年譜的パートも織り込まれている。スポット紹介にとどまらず、都市の見方そのものにアプローチするという、同誌ならではの思想海外展開の第一歩は「まず『POPEYE』から」らいたかった」(里見氏)。都市という切り口を立てることで、単なる商品カタログではなく、土地の空気感を含めたガイドブックとしての役割を持たせている。 掲載する商品の選定において、編集部が重視したのは「知っているもの」より「よく知らないけれど気になるもの」だった。 「誰もが知っている定番より、これ何だろう、ちょっと面白そうだな、と思ってもらえるものを意識してい紙媒体は入口深掘りはQR誘導『COOL Begin』大阪版、2025年3月13日発売オーディオテクニカとの協業で発行した『COOL Begin』アナログマーケットの冊子世界文化社セブンビジネス本部副本部長里見真人氏『POPEYE Special Edition Hello, Tokyo!』、2025年9月18日発売“シティボーイ”感覚を翻訳することは可能か□POPEYE□英語版が示した編集コンテンツの海外展開マガジンハウス□POPEYE□CASE②4
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